ヒューマンドラマ  |  2015.06.04

『ソラニン』の浅尾いにお氏が送る新感覚マンガ『おやすみプンプン』の魅力とは?

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読むと鬱になるのになぜか読んでしまう不思議な作品!

実写映画化もされた大ヒット漫画『ソラニン』の作者、浅尾いにお氏にとっての最長作品である『おやすみプンプン』をご存知ですか?

恥ずかしながら私その存在さえ知らなかったのですが、今回モデルのねこもそーしゃさんにお薦めされて、ものすごく読みたくなった作品です。なぜなら作品の実態がつかめないから(笑)いくら説明を聞いても全貌が見えない、そもそもなぜ主人公のビジュアルが鳩サブレなんだ!?

一見だけでは謎が多すぎるからこそ、その深みに興味が湧いてしまう。そんな不思議な作品の魅力を、同じく謎の多い美女コスプレーヤねこもそーしゃさんに語っていただきましょう。

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『おやすみプンプン』ってどんな作品?

ーー『プンプン』のこと全く知らないんですが、ざっくりどんな作品なのか教えていただけますか?

ねこもそーしゃ
え、知らないんですか!? めちゃめちゃ面白いんで絶対読んだほうがいいです! 内容は、ちょっと説明が難しいんですけど……(笑)主人公のプン山プンプンが、小学生から大人になるまでの人生を描いた作品です。

ーーチラッと見せていただきましたが、プンプンって人の姿をしていないですよね? 背景や他のキャラクターたちとは異次元のデフォルメがされていますが、これはなぜなんですか?

ねこもそーしゃ
わかりません(笑)作中でもそれについて一切説明されず、当然のものとして物語が進みます。そういう一見意味がわからないことが何の説明もなく、当然の設定として進んでいくのがこの作品の特徴というか、浅尾作品の味だと思ってます。

ーー浅尾さんの作品だと『ソラニン』が有名ですよね。

ねこもそーしゃ
実は私『ソラニン』はあまり合わなかったんですよね。でも、ある日すっごくオシャレな友達が『プンプン』を薦めてきて。当時から野を駆け回るただのオタクだった私は、このオシャレな子がそこまで薦めるんなら読んでみっか!と思って読んでみたら、ハマってしまいました(笑)

ーー野を駆け回るだたのオタク・・・(笑)では、浅尾さんの作品に苦手意識を持っている方は『プンプン』から入ってみるのがよさそうですね。

ねこもそーしゃ
そうですね。私も『プンプン』を読んでから、浅尾さんの作品はこういうスタンスで読んだらいいんだというのが分かって、他の作品も楽しめるようになりました。

ーーなるほど。

ねこもそーしゃ
私が『プンプン』を好きなところも正にそこで、話の大筋には一見関係ない、いらない演出やセリフがたくさん差し込まれてたり、変な間がいっぱいあるところなんですよね。「なんだったろうさっきの……」みたいな。
ねこもそーしゃ
でも、それが後から実は意味があったことがわかったりするので、深く読み込んじゃうんです。プンプンのビジュアルも、周りからそういうイメージに見えてるってことなのかな? とか作者の意図を考えちゃいます。

ーーなるほど、意味がわからないから、その面白さを説明するのも難しいわけですね。ただ、ストーリーも全く見えてこないのですが(笑)ギャグマンガではないんですよね?

ねこもそーしゃ
プンプンの容姿だけみるとギャグマンガに見えると思うんですけど、中身はドロドロでもうえらいことになってて。
ねこもそーしゃ
例えばプンプンが小学生の時に転校生の愛子ちゃんって女の子に一目惚れしちゃうんですけど、その子の家が変な宗教に入ってたり……と、一言で言うと読んでて暗くなるマンガです(笑)

ーー暗くなるけど、読みたくなる?

ねこもそーしゃ
1冊読むごとに悲しい気持ちになるんですけど、次の巻ではプンプンにいいことがあるかもしれないと思って読み進めちゃうんですよね。
ねこもそーしゃ
結局ないんですけど・・・(笑)

ーー(笑)。そういうモチベーションで読み進める漫画ってあまりないから気になりますね。

ねこもそーしゃ
いいことがあった後に必ず悪いことが起きるんです。幸せになるってフリがあったのに、次のコマでめちゃくちゃなことが起こったり、とにかく何もかもが思い通りにいかなくて。三歩進んで二歩下がって、大股一歩進んで足をくじいて三日休むみたいな……。

ーーなるほど。うまい表現ですね(笑)

背景の自転車おじさんイカす

好きなシーンは?

ーーこのシーンが一番プンプンがかわいそうだったとか、印象に残っているシーンはありますか?

ねこもそーしゃ
特にこのシーンが一番!ってことはないんですけど、全巻通して読んだ後に、1巻を読み直すと泣きそうになりましたね。それくらいプンプンに感情移入してしまうのがこの作品の魅力だと思います。

ーーそれは子どもから大人になるまでのプンプンの成長を一緒に見てきた後に小学生の頃のプンプンを見返すと、親心で感動してしまうということでしょうか。

ねこもそーしゃ
そうですね。プンプンって少年漫画のヒーローのような、誰からも愛される性格ではないんです。ものすごく不器用で人間味に溢れる普通の男の子が、世の中の嫌なことや汚いものを散々見て大人になって、私たちには想像もできないような不幸に突き落とされたり、大事件を起こしてしまったり。
ねこもそーしゃ
そういう人生の成れ果てを見た後に純朴な男の子だった頃を見返すと……泣きそうになっちゃいますね。ただ、私はこういう人生じゃなくてよかったなって思います(笑)反面教師じゃないけど。

ーー物語の終着点としては、ハッピーエンドなんでしょうか?

ねこもそーしゃ
うーん、ハッピーエンドというか、「やっぱこうなるしかないよね……」っていう感じです。すごく清々しい終わり方でもなく、釈然としない終わり方でもなく。

ーー何よりもねこちゃんの説明が最も釈然としないです(笑)

ねこもそーしゃ
読んでください(笑)説明が難しい作品なんです。

※インタビュー終了後、3巻まで読んでみたのですが、説明が難しいという理由がよくわかりました(笑)ネタバレするべきではない部分が多い作品なので、内容が気になった方はぜひ読んでみてください。

ライター:渡邊
カメラマン:こば犬

モデルプロフィール

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・名前  :ねこもそーしゃ
・生年月日:7/8
・出身  :兵庫県
・職業  :フリーの賑やかし
・趣味  :コスプレ
・他に好きなマンガ:ハチミツとクローバー、ピューと吹く!ジャガー、テニスの王子様、溺れるナイフ、BL漫画
・Twitter:@neco_monro@necosome

おまけ

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